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2012年05月28日 更新

ある人気芸人が、数千万の収入があるにもかかわらず、母親が生活保護を貰っていたため、釈明会見が行なわれたようです。潔く非を認め、もらってきた生活保護費を返還するということになったそうです。

芸人は、よく“年収”数十万ということをネタにします。確かに、その芸人さんもそれでは親の面倒を見られないだろうというくらいしか貰っていませんでした。では、売れない芸人さんの親が生活保護を貰っているかと言えば、そうではないでしょう。中には「夢」を諦めて、社会人として頑張っている人もいると思うのです。

今では売れっ子の1人でしょうから、その才能は疑うべくもないのですが、会見内容はやや釈然としないモヤモヤが残ります。ただ、これまでの費用を返金するということはなかなかできないことだと思うので、それでひとつの決着を見たということになるのだと思います。

当院の特徴のひとつとして、県内のさまざまな地域からアレルギーで困っている患者さんが受診されることが挙げられます。今度触れようと思っていましたが、他県から通院して下さっている患者さんもいます。その地域の人気ナンバー1の皮膚科から受診される湿疹の患者さんもいます。

驚いたことに、ガイドラインに沿って診断すると、どうみてもアトピー性皮膚炎なのに、アトピーの診断すらできていない医師が結構と多いのです。「人気」と「実力」は相関しないのかなと思いますし、いつも言っているように診断できないということは、その病気を詳しくないと言っているようなものです。治療はできなくて当然と言えます。

中には、「アトピーと言うといろいろ面倒だから」という理由でわざと診断していない皮膚科医もいるだろうと思いますが、患者さんを馬鹿にしているとしか思えません。アトピーという慢性の病気に立ち向かうには、患者家族と医師が信頼関係のもと、二人三脚で一歩ずつ進んでいくものです。当院に来られる患者さんの多くが、薄々アトピーだと気付いているにもかかわらず、医師が「アトピーではない…」みたいに言葉を濁すことが多いのです。敵が見えず、不安に陥れているのは、医師のやり方に問題があるのでしょう。

ただ、乳児に関してはアトピー性皮膚炎の診断基準を満たしているにもかかわらず、本気で「乳児湿疹」と診断しているようです。本当に診断できないのなら、それも大きな問題です。

最近、県内各地からアトピー性皮膚炎で、これまで不誠実としか言いようのない医療を受けてきた患者さんが、当院に救いを求めて受診されることが少しずつ増えてきました。

この場でよく言うように、医療は受けると、患者さんが医療費を払うことになるのですが、診断が間違い、治療が適切でなくても、どういう訳か医療費が支払われます。症状が改善しない場合、機械なら“不良品”ということで返品が普通です。医療の場合は、「医師が間違うはずがない」という前提があるので、返品はききません。

他院から流れてくる患者さんは、実は同じ医院さんが多かったりします。つまり、そういう医院さんは誤った診断を繰り返していると言うことです。これもいつも言っていますが、マイコプラズマでないのにマイコプラズマと診断し、「点滴しなければ治らない」と言って点滴を強要している医院さんもあります。これも特定の医院さんだったりします。

医療は、誤診をした方が経営に有利だったりします。何度も受診してくれるからです。中には、わざと間違っている医院さんもあると考えています。私はおかしなことをすれば、すぐに評判は落ちると思っていますが、医療に関しては「お医者さんが間違うはずがない」という“先入観”が強いせいで、一向に評判は落ちたりしません。

わざとであろうと、そうでなくても、とにかく誤った診断を繰り返している医療機関は存在します。自分が間違っていることも分かっていない場合もあるでしょう。いずれにしても、信頼して通院している患者さんに大きな迷惑をかけているのは明らかです。

医療に関しては、誤ったことをして患者さんに迷惑をかけても、なぜ冒頭のお笑い芸人のように返金しないのでしょうか?。それが緊張感のない、誤りを繰り返すおかしな医療につながっていると考えます。

学校教員として不適切であると判断されたら免職できる制度があるようですが、医師にはなぜないのでしょうか?。様々な理由で逮捕されれば医道審議会にかけられますが、そういった場合のみで、教員よりははるかに甘いのが医師の世界と思えます。子どもの将来に影響を与える「教育」も大事ですが、「医療」は患者さんの命や健康を預かっているのです。

個人的には、誤った医療を発見したら、キチンと根拠を添えて保健所や保険審査の部門に通報するようなシステムにすればいいと思います。それが認められれば、その分は誤った医院に報酬が払われなくすればいいのです。また、繰り返されれば、医院名を公表すればいいと思います。

今の医療は、とにかく大勢診た方が有利です。診断が合っていようが間違っていようがです。医療のクオリティーが低下するのは、必然と言えます。

小児科で言うと、風邪や胃腸炎などは自然治癒傾向が強いので、放っておいても治ったりします。アレルギーは、放っておいても治りづらいので、現在のシステム下では、アレルギーの患者さんにしわ寄せが強く起きている気がしてなりません。治らなければ専門医に紹介すべきですが、紹介すれば自院の患者を減らすので、紹介したがらないということにつながります。

私の提案が採用されれば、どの医師も勉強し、誤診は確実に減るでしょう。そうすれば膨大に膨れ上がった医療費も減ります。アレルギーの患者さんも救われることになることでしょう。お笑い芸人を追求している某政党の議員さんには、医師を敵に回すことになるかもしれませんが、こういう方面の追求を是非とも行なって欲しいものだと思っています。