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行脚の旅
2012年05月03日 更新

午前中、ラッキーなことに気付きました。

5日は“普通の土曜日”だと思っていたので、午前中は診療をやらなければと思っていました。よく考えたらこどもの日で祭日なんですね。

4連休になってしまう訳で、ゴールデンウィーク後半を平和に過ごしたいという親御さんも多く、水曜午前中の外来は混雑しました。ここ最近、受診数も多く、気を遣います。他院を受診して良くならない患者さんも多く、上越では当院はそういう“位置づけ”にあるのかなと思います。

そういう親御さんの期待を裏切ってはいけないといつも思っています。手間がかかり、時間も掛けなければなりませんし、ある意味、損な役回りと言えるのかもしれません。でも、開業医には「とりあえず行ってみる医院」と「ダメならここに行こうという医院」がある訳で、当院は裏切りたくないため、後者の方でありたいと思っています。

昨日の午後も、エピペン講習の行脚の旅でした。

前日の夜も、夜な夜なスライド作りをしていました。毎回同じスライドを使って、全く同じ話をするのはプライドが許さないし、より上手に伝えたいと思っているので、いつも向上心は持っているつもりです。毎回、何かしら変えています。

今回の小学校は、その地域の基幹病院から少し離れています。病院が近くなら、“お任せ”でもいいと思います。遠ければ遠い程、学校内でエピペンなどの処置が必要になる可能性が高まると思っています。

そういう意味では、言い方は悪いですが、学校職員の方々に緊張感をあおっておくことも大切だと思います。その一方で、エピペンはいざという時のためにキチンと使って頂く必要があります。正しい情報を伝え、「これくらい効く」、「このように効く」、「副作用はほとんどない」ということを理解して頂くようにしています。

校長先生の方針というのもあるでしょうが、昨日は職員全員が私の話を聞いてくださり、いざという時にはキチンと対応してくれそうだという印象を持ちました。私も主治医として、患者さんをお願いする身ですので、関心を持ってくださることはとても有り難いのです。

勉強会が終わって養護教諭の先生と話しました。私は青森県にある医学部を出ましたが、同時期に弘前の地で医学を学んでいたことが分かり、親近感を持ちました。

私がこうやってエピペンの使い方を理解して頂くために、新潟県内で行脚の旅を続けているのですが、その目的の半分は、食物アレルギーについて正しい知識を持って頂くためだとも話しました。いつも言っているように、アレルギー検査の結果だけで食べられる、食べられないの判断をするのは往々にして正しくなく、「食物負荷試験」で判断されるべきだという“真実”を学校関係者の方々に知っておいて頂きたいのです。

その学校には地元の病院で診てもらっていて、アレルギー診断書も出してもらっている児童もいるようです。話を聞いてみると、「食物負荷試験」をやれば、もしかしたら除去するものはなくなるのではないかと感じました。逆に負荷試験をしなければ、親御さんも学校も“無駄に”除去し続けることになるのかもしれないということです。

負荷試験の重要性をよく理解して頂けたようで、養護の先生から「なぜ県内に負荷試験が広まらないのでしょう。子ども達のためになるのに。」と言われました。「それは負荷試験を広めようとしない医師に聞いてください」と言いたくなります。

結局のところ、親御さんや学校の先生が「何かしらを食べさせてあげたい」と思う程、医師の方が食べさせたいと思っていないからなのだろうと思います。もし医師達が患者さんのために一生懸命になれば、「食物負荷試験」が広まらないはずがないのです。

1時間以上話したうちの前半は「食物負荷試験」の必要性なども強調できました。学校職員が全員聞いてくださったので、その辺の理解も深まったのだろうと思います。

先週は新潟市、その前は妙高市、その前は柏崎市、その前は長岡市と行脚の旅を行なっていますし、異動があれば他の地域にも「食物負荷試験」のことを知っている先生が広がることになります。

地道な作業ではありますが、大切な意味のあることですし、まだまだ県内の行脚の旅は続きます。