小児科 すこやかアレルギークリニック

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大人のアレルギー
2012年02月08日 更新

朝から晩まで、子どもの診療にたずさわっています。

もちろん私が小児医だからなのですが、例外的に大人も診ることがあります。私がお子さんを診ていて、大人である親御さんがアレルギーの診療を希望された時や、紹介があった時です。

先日も、小麦を食べて除雪作業をしたらアレルギー症状が出た20代男性がいて、内科の先生から食物依存性運動誘発アナフィラキシーとして紹介がありました。

症状が出た時は、慌てて病院の救急外来に駆け込んだのですが、既に症状が軽快していたため、担当医から大したことないと言われたそうです。私であれば、その時に何もなくても、何が起きたのか解明しようとする努力はすると思います。もしくは、分かりそうな医師を受診するように誘導すると思うのですが、それがなされておりませんでした。

患者さんは20代とは言え、そのお母さんもだいぶ心配されてエピペンを持った方が良いのかなど自分なりに情報を集めておられましたが、肝心の相談できる医師がおらず、内科の先生経由で私のもとを受診されたのです。

大人のアレルギーって、キチンと向き合ってくれる医師が非常に少ないと思いますし、相談できずに困っている患者さんって少なくないのだろうと思っています。

つい先日、やはり紹介で成人のアトピー性皮膚炎の患者さんが市外から受診されました。大人のアトピー性皮膚炎は重症な方もいらっしゃいます。これまでA市やN市の皮膚科に行っていたようですが、改善がなかったそうです。どちらも人気の医院さんのようですが、夜に無意識に掻きむしり、衣服に血が付くこともよくあるそうです。

先週放映された医療系の情報番組で、私も解説しているのですが、アトピーの軟膏の塗り方が重要です。大人の第一関節までチューブの軟膏を出して、それが大人の手のひら2枚分塗ることができるというものです。これをフィンガーチップユニット(FTU)と言います。

外来でステロイド軟膏を出して、改善が思わしくないと、塗り薬がどれくらい減ったか聞いてみると、ほとんどの患者さんの塗る量が足りていないのです。どれくらい塗るかを説明していても、塗り方が足りないことはあることです。中途半端な塗り方をすれば、中途半端な改善しかえられないのは当たり前と言えます。

ところが、驚いたことにその2件の有名皮膚科では、塗る量の説明がされていませんでした。患者さんは「初めて聞いた」と目を丸くしていました。

多くの患者さんが、以前社会問題にもなったステロイド軟膏の副作用を未だに不安視しています。現実として、アトピーのガイドラインでは、ステロイド軟膏を“適正”に使うことを求めています。適正とは、“充分”な量(FTU)を“充分”な期間という意味です。

ちなみに、「いずれも良くなったら中止していい」と言われていました。通常、専門医ならこういう指導はしないと思います。上っ面だけ良くなって中止すると、じきにぶり返すので、キチンと充分量を塗ることが必要と言えます。

専門医にとって基本中の基本とされる指導すらされていない現実に、正直驚いています。某皮膚科医院さんのホームページを見てみましたが、アトピー性皮膚炎など治りづらい慢性の病気の場合はじっくり相談に乗りますと書いてありました。「うーん、どうなんだろう?」と思ってしまいました。

先週も触れたように、アトピーが悪化して仕事にも行けないような状況に陥った20代の男性が皮膚科に行ってもよくならなかったという話もしました。塗り方の指導もなされておらず、「3分診療」では良くなるものも良くならないし、そもそも大人のアトピー性皮膚炎は、皮膚科医が診るものです。いずれも患者さんが多く受診する医院さんのようですが、誰に任せれば良いの?って思ってしまいます。

成人ぜんそくは呼吸器内科の先生が対応することで、治療の進歩もあり、症状は相当改善することが期待されます。ただ、最近私の関わった大人の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の経験から、キチンと対応してくれる医師が少ないかもしれず、困っている患者さんが多いのではないかと危惧しています。