小児科 すこやかアレルギークリニック

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診断は正しい!?
2011年07月13日 更新

診断を間違えば、治療を間違えます。

患者さんは、医師にいち早く病気の症状を軽くして欲しくて、病院や医院を受診されます。ただ、患者さんに思っている以上に、医師の知識や技術の差は大きいため、症状が改善されるかどうかは、通ってみないと分からないのだと思います。

最近は、他の医療機関で治療してきてよくならないと、「セカンドオピニオン」のような感じで当院を受診されるケースが目立ちます。セカンドオピニオンとは、自分のやられている医療が適切かどうかを、他の専門医に聞いてみるという方法です。

日本では、患者さんの方が「今かかっている先生に悪いから」とあまり希望されませんが、アメリカでは医師の方から「セカンドオピニオンはどうなさいますか?」と聞くようです。日本は、保険診療上、患者を手放せば収益に影響するため、特に開業医はそうしないことが多いようです。アメリカのように「一般医」が診てダメなら「専門医」というシステムがない日本では、逆に患者さん自身が自分の身を守るためには、必要なシステムだと思っています。

通っても症状が改善しなければ、セカンドオピニオンは必要でしょう。「名が通っているから大丈夫だろう」と思っても、必ずしもそうではないことは付け加えておかなければなりません。逆に、有名だからとそこに固執すると、適切な治療が遅れてしまうことすらあります。

少しは期待されているのか、当院を受診されるケースが増えてきました。私の心掛けていることと言えば、まず、診断を的確に付け治療しようとすることです。これは医師として最低限のことだと思いますが、肝心な部分がいい加減になっている医院さんも残念ながら少なくありません。

そんな中、ある小児科さんにずっと通っていた、かなり濃いぜんそくの治療をされてきた患者さんが先日、当院を初めて受診されました。

ぜんそくはゼーゼー、ヒューヒューを繰り返すことで診断されますが、少なくともお母さんは、ゼーゼー、ヒューヒューと言ったところを聞いたことがないそうです。咳が長引いており、キプレス、ジルテック、アドエア、のちにシムビコートというフル装備のぜんそく治療がなされ、ステロイドの点滴も繰り返されていました。

ぜんそくだと、受診時に症状が出ているとは限らず、もともと慢性の病気なので、これまでの状況をしっかりと問診することが大切です。親の体質が遺伝しやすいため、家族歴を聞くことも重要ですが、そうしている医院さんはあまりないようです。

いろいろ聞いてみて、果たしてぜんそくと診断すべきか、私は真剣に悩みます。ましてや、それだけの治療をして良くならなければ、どこか判断ミスをしていると考えるべきでしょう。診断すら間違っているのかもしれません。

専門医であれば、肺機能検査を行なうと思いますが、重症ぜんそくではよく見られる細い気管支への変化は見られませんでした。これは、もともと異常がないのか、アドエアやシムビコートに含まれる長時間作動型気管支拡張薬により、気管支が開くことで異常がないように見えているだけなのかもしれません。

最重症のぜんそくの治療がなされていましたが、少なくとも典型的なぜんそくではないと考えています。だいぶ治療“”が先行してしまって、冷静に何が正しく、何が間違っているのかを考えながら進んでいくことをお勧めしました。

中には専門医が診ても、対応が難しいケースも存在します。押してダメなら引いてみなという言葉があるように、そろそろ引く場面だと思います。止められそうな薬は止めて、経過を診させて頂くことにしようと思います。