小児科 すこやかアレルギークリニック

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うちの子はどっち?
2011年05月21日 更新

21日は、久々に食物アレルギーに関する院内勉強会を開催します。

ぜんそくやアトピー性皮膚炎も誤診が多く、上越のレベルを上げていかなければなりませんが、適切でないことをやられていないのが食物アレルギーの分野だと思うので、当院としても力を入れざるを得ないのです。

医師の仕事は、患者さんを病気の苦痛からいち早く逃れさせる手伝いをすることでしょう。不幸にも食物アレルギーがあり、卵や乳製品が食べられないとします。親御さんは、1日3食をどうやって卵や乳成分を含まない食事にするか悩まれていると思います。

もし、食物アレルギーのない兄弟がいる場合、その子は何を食べていい訳ですが、いつ何時、おやつも含めて食物アレルギーの子に食べさせてしまうか分かりません。重症であればある程、一時たりとも目を離せないし、多くの食材を使えないので、親御さんのストレスも飛躍的に上昇します。

困り果てて、当院を受診される食物アレルギーの患者さんは「2歳まで食べないように」などと指示されていますが、1歳の時点で食べられる子は食べられるし、2歳を過ぎても食べられないお子さんもいます。つまり2歳というのは、大した根拠がないことが分かります。

私がよく患者さんに示す食物アレルギーのデータで、名古屋の伊藤先生の研究によるものがあるのですが、卵のアレルギー検査がクラス3だった時に、ゆで卵を食べて何からかのアレルギー症状の出る確率は約40%となっています。何も起こらない確率は60%ということです。

「お子さんは60%の確率で食べられます」と確率論で言ったところで、親御さんからすれば、食べられるかどうか分からないから、プロである小児科医にお金を払って、お子さんがどちらに属するのか調べて欲しいのです。

それを「家で食べさせて、報告して下さい」と言う医師もいますが、私はそれを“責任転嫁”と呼んでいます。お金を払っても、食べられるかどうか教えてもらえないのです。ひどい話です。

お子さんがまだ小さければ、ゆで卵まで食べることを望まないこともあるでしょう。せめて卵の少し入ったビスケットをおやつとして食べさせてあげたいと望むかもしれません。先程のデータでは、ゆで卵では約半分の確率で食べられますが、卵入りのビスケットの場合なら、含まれる卵の量はかなり減りますから、食べられる確率を上げることができますが、何%食べられるかは、分からないことになります。

親御さんにしてみれば、とにかく自分のお子さんが食べられるかどうかを知りたいのだと思います。親御さんの希望に応える最大限の努力をしないのはおかしいのです。

アレルギーではありませんが、現在、感染性胃腸炎が流行っています。「流行っている胃腸炎の多くがロタウィルスである」なんて言っている感染症情報もありますが、当院はロタウィルスかどうかを調べていますが、ロタウィルスは一部だと思います。

ロタウィルスに感染すると、高熱が続くこともあり、頻回に嘔吐と下痢を繰り返します。普通の胃腸炎よりは、圧倒的に重症です。近隣では点滴の多い小児科さんもあるようですが、当院では無駄な点滴をしないように心掛けています。私が子どもなら、しなくても済むのであれば、点滴はして欲しくないと思っているからです。そんな方針の当院であっても、ロタウィルスが陽性のお子さんのほとんどが明らかな脱水を示しており、点滴は避けられない状況です。

経過も普通の胃腸炎なら、短期間で治ってしまう一方で、ロタウィルスの場合は、完治まで数日かかります。ロタウィルスの子に点滴をしても、翌日また悪化して、点滴を2日連続しなければならないケースも少なくありません。

つまり、親御さんにはお子さんの便からロタウィルスが検出されたことを説明し、数日間は低空飛行が続くことを前もって理解しておいて頂くこともできるのです。「じきに治る」と言っておいて、そうならなければ親御さんは不安になります。あらかじめ、たちの悪いウィルスかどうかを分かっていれば、心の準備ができると思うのです。

また、ロタウィルスは特に感染力が半端ではありません。兄弟にもいとも簡単にうつってしまいます。ロタウィルスにかかっていると分かれば、家族への感染防止に一生懸命になれると思うのです。

「多くがロタウィルスと思われる」と言われても、「じゃあ、うちの子はどっち?」となると思います。外来の中で、まず診察して、ロタウィルスかどうかを調べる必要があると思えば、検査させて頂きます。一旦診察室を出て、また結果説明のために診察室に入って頂く手間がかかりますが、患者さんには適切なアドバイスを与えることができると思っています。

患者さんのことを本気で心配すれば、親御さんにも的確な情報を伝えようとするはずだと思っています。食物アレルギーであれ、胃腸炎であれ、個別に対応しようと思うと思うのです。

効率を重視すると、個別の対応を軽視することになり兼ねませんが、これからの時代はそれでは許されないと思っています。逆に、地元には個別に対応する医療があることを知って頂く必要があると考えています。