先日、患者さんのお母さんから“ラブレター”を渡されました。
ちょっと不道徳な香りがするかもしれませんが、そういうものではありません(笑)。
その患者さんは、多品目の食物アレルギーがあり、来年小学校に上がる予定なのですが、除去せざるを得ない状況が続いているのです。
当院に来られる食物アレルギーの患者さんは、新潟市から来て下さる方もいらっしゃいますが、多くは中越、上越です。ほとんどが誰にも相談できなかった、とおっしゃいます。アレルギー検査で特に多品目が陽性を示していると、ほとんどの小児科医が「お母さんが考えて食べさせてみて下さい」とか「家で食べてみて、食べられたかどうか報告して下さい」と口を揃えてそう言います。
私はそれを「責任転嫁」と言っています。敢えて言いますが、こういう風潮が続く限り、新潟県の食物アレルギー医療は低レベルを維持しています。分からなければ、分かる医師に相談すればいいだけなのです。
アレルギー検査が陽性でも、私も「食べられるかどうか分かりません」と言っています。同じ値であっても、食べられる子と食べられない子がいますので、個別に対応するしかないのです。“分からない”から「食べさせてみよう」と負荷試験をやっているのです。
先の患者さんに対しても、負荷試験を繰り返した上で「あれもダメ、これもダメ」という状況になっています。さすがに除去する食材が多いと、小学校では給食は厳しいと思います。できれば、みんなと同じものを食べさせてあげたいのですが、私や親御さんがそう思っても、学校など周囲を取り巻く環境がそれを許さなければ、難しいということになります。
診療中にお母さんを勇気づけようと「こんな患者さんもいる」と話したりするのですが、そのお母さんに、ちょうど来年小学校に上がる、やはり多種食物アレルギーの患者さんがいて、お子さんのために奮闘してるお母さんがいることを伝えていたのです。
実は冒頭のラブレターとは、そのお母さんと連絡を取り、情報交換したいというものでした。新潟市には食物アレルギーの子を持つお母さんが集まった「わんぱくアトピッ子クラブ」という患者会があるのですが、中越や上越にはありません。私も毎年10月にやっている「すこやか健康フェア」などで、食物アレルギーで悩んでいるお母さんに、重症な子を持つお母さんを紹介したりしています。そのお母さんは、普通の小児科医よりは食物アレルギーの知識を持っていると思いますが、医学的な知識も大事ですが、やはり、お母さん同士でアレルギー対応の食材情報や苦労話など、情報交換は必要だと思うのです。
そのラブレターを橋渡しするキューピッド役を買って出ることにしました。また、新潟市や関東の食物アレルギーの患者会も知っていますので、そういった情報も伝えたいと思っています。これまで一生懸命患者さんに知識の提供をしてきたつもりですが、こういう私にはできない部分のフォローも必要だと痛感しています。


