先日、地元の病院で通院しても湿疹の良くならない赤ちゃんが市外から当院を受診されました。
前医では特に診断名も告げられていませんでした。私の経験から言わせて頂くと、赤ちゃんが湿疹が良くならず、経過が長いとアトピー性皮膚炎が隠れていることが多いと思います。
いつも言っている通り、診断をキチンとつけて、その診断に沿った治療をしなければ、良くなるものも良くなりません。親御さんにしてみれば、分かりやすく説明し、治療方針を明らかにしてくれる医師を“味方”と捉えて下さるように思います。
診断基準を満たしていたので、アトピー性皮膚炎と診断しました。ガイドラインによると、ステロイド軟膏を使い、きっちり治療することが推奨されています。前医でもステロイドが出されていましたが、アトピーと診断することで初めてステロイドを使用することが理論的で、正しいことが証明できます。
診断や治療について説明し終わったところで、新たな情報が聞かれました。卵アレルギーを合併していたのです。それもある薬を飲んで、顔が赤くなり、それが体に広がることで卵アレルギーの存在が明らかになりました。
いわゆる消炎剤とされ、小児科や耳鼻科で時々用いられる薬です。最近になって、徐々に卵を含むことが医師の間に認識されてきているように感じています。私は当然知っていますので、そういう薬は意図的に避けています。どうしても使わなければならない薬とは思っていませんので、使う必要性を感じないというのが正直なところです。
この薬自体、私以外でも使う医師が多くないため、薬で発赤や蕁麻疹が出た患者さんを診た記憶はあまりありません。薬には卵成分は食物より多いとは思えず、薬の服用後にたまたま蕁麻疹が出たことも想定して、その時の状況をお聞きしました。薬を飲んでまもなく、顔に発赤が広がり、更に体の広い範囲に拡大したのだそうです。薬が引き金になった可能性は充分考えられるという印象です。
その薬はどうしても飲まなければならない薬ではないので、避ければいいのですが、卵製品は今後の生活の中で避ける訳にはいきません。皮膚についても充分に説明したつもりでしたが、その後に食物アレルギーの説明を引き続き行いました。しばらくしたら「食物負荷試験」を行い、卵をどこまで食べられるかキチンと評価することにしました。
いろいろと多くを語ってしまったので、どこまで親御さんの頭に残ったのだろうと思いますが、話の筋道は理解して頂けたと思っています。市外の方で申し訳ないのですが、皮膚や食物アレルギーの件で通院して頂くことにしました。
薬の中には、卵や乳成分を含む薬も存在します。重症の食物アレルギーの方は、今回のように親御さんには全くの想定外の話だと思いますが、薬でも食物アレルギーの症状を起こし得ます。ご注意頂きたいと思っています。


