先日、市内の中学校から当院に電話がありました。
生徒さん2名が、当院に職業体験の目的で見学に来たいということでした。最初は「何で、当院に?」と思いましたが、医療に興味を持ってもらうことはいいことなので、最近は忙しく、私自身がどこまで相手をできるか分かりませんが、OKを出しました。
当院は市内では新参者ですが、話を聞くと生徒さん、たっての希望とのこと。上越市内で知名度が上がってきたのかな?とちょっと嬉しくなりました。
私自身、ホームページでいろいろと書いているのは、アレルギーや感染症について正しい知識を持って頂きたいことのほかに、医療における問題点に触れているつもりです。具体的には、アレルギー医療の取り組みが遅れていること、効率重視で患者さんが本来受けるべきレベルの医療が提供されていないように感じていること、医療費の無駄遣いと思われることが少なくないこと、患者さん自身が身を守るためには自ら知識を持たなければならないこと等です。
患者さんを何とかしたいと思えば、流れ作業の医療なんてできません。生徒さんがどんなことをするのか具体的なことは聞いてはいませんが、真面目に取り組むところをみて頂けたら、何か感じてもらえるのかなと思っています。
また、つい最近のことですが、県外の大学に通う看護学生さんからメールを頂きました。地元が上越だそうですが、小児の看護にご興味があるそうです。少子高齢化という時代に、小児科希望だなんて貴重な存在と思いました。
小児科医が足りない、と言われています。どちらかと言えば勤務医が少ないのであって、その反面、開業医は少なくないと思います。開業医が増え続け、子どもが減り続けば、どうなるでしょう?。同業者で“患者の奪い合い”になるのでしょうか?。少子化が更に続くのか、逆に徐々に増えていくのかはよく分かりません。親が子どもを丁寧に子育てしていくと思っています。となると納得のいく説明をしてくれる、腕のいい小児科医はやっていけると思うのです。日々、精進が必要なんだろうと思っています。
話がそれましたが、これからの小児科はキラリと光るものが必要なのでしょう。その学生さんがおっしゃるには、地元でアレルギーを中心に取り組んでいるところに目が止まったそうです。有り難いことです。
私も医学部の学生の頃は、知識を頭に詰め込んでいて、ある意味で“頭でっかち”だったと思います。今は、小児科とはあまり関係のない分野のことは、忘却の彼方状態ですが、臨床にどっぷりつかっているので、経験を積み、現場で役立つ知識の“引き出し”は増えています。それなりのものには対応できそうです。
学生さんなので、病院での実習はされていると思いますが、多分総合病院での実習で、小児科病棟を回る感じだと思うのです。それとは一線を画する小児科開業医の実態を見て頂くのがいいだろうと思い、今度冬休みにでも見学に来て頂くことにしました。この学生さんに関しても、メールを頂いた時に「何で当院に?」とも思いましたが、当院のホームページを見て、何か感じるものがあったのだとしたら、嬉しいことだと思っています。
開業医は院長の方針でどうにでも変わります。経営や診療の方針は院長のカラーが出るからです。職業体験の中学校の生徒さんよりは、現場に近い方なのですが、開業医だから、提供する医療のレベルが低くていいとか、患者が多いから一人当たりに時間がかけられずに流れ作業になって仕方ないなど、こういうことは許されません。当院のやり方を見て、何かを得て頂けたらなと思っています。
最近、よく触れているように市内の園の先生方が感染症の取り扱いが各医師によって異なっており、困っていることから医学的根拠のある小児感染症の講演を依頼されています。日々忙しいのですが、引き受けたからにはいい加減なことはできないし、上越で開業して3年。マイコプラズマが極端に多く、RSウィルスが亡き者にされていること、曖昧な診断が少なくないこと、外来点滴が多いように感じることなど、問題点も少なくありません。上越のレベルアップのためにも、何とか分かりやすく理解を深められるような話をする必要があります。
当院は、アレルギーの啓発活動も力を入れており、「院内勉強会」も行ってきました。それはそれで大事なことなのですが、最近は講演などで忙しくてなかなか時間が取れないのも事実です。でも一番悩んでいるのは、参加者が当院かかりつけにほぼ限定されてしまうことでした。
逆に、当院にかかっておらず、専門的に診療されていない、症状が安定せずに困っている患者さんやお子さんにアレルギーはないけれど、アレルギーについて正しい知識を持ちたいという親御さんは少なくないと思います。こちらから外に飛び出して、「院内勉強会」ではなく、「院外勉強会」とすれば、当院を知らない親御さん達にもアレルギーについて興味を持ち、正しい知識を提供できると考えました。来月、第一弾として上越市の子育て支援のところにお邪魔して、アレルギーの勉強会を行うことにしました。
小児科に行ってもあっという間に診察が終わり、質問があっても全く聞ける雰囲気ではなかったとよく聞きます。アレルギーに限らず、子どもの感染症やヒブや肺炎球菌なども増えて分かりづらくなっている予防接種などについても親御さんの聞きたいことはいろいろとあると思うのです。こちらから、お母さんの中に入っていけば、“交流”ができるのではないかと思いました。こういう活動もやっていこうと思っています。
来月は小児のアレルギー学会が横浜で開催されますが、私自身もこだわってやっている「食物負荷試験」をまとめたものを発表する予定です。こちらは準備はかなり遅れています(汗)。その他にも、2月に行われる食物アレルギー研究会にも発表をするつもりで、その準備もしなければなりません。今日は触れませんが、乳児アトピー性皮膚炎の誤解、誤診が多く、困っている患者さんが県内には大勢います。正しい知識を持って頂くための“作戦”も準備しており、その対応もしなければなりません。
重なる時には重なるものだと思いますが、そんな猫の手も借りたいような中、職業体験の中学生の生徒さん、看護学生さんにも医療の現場を感じて頂こうと思っています。


