小児科 すこやかアレルギークリニック

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説明責任、果たしてもらっていますか?
2010年06月25日 更新

小児科のアレルギー専門医は、他の先生と違い、幅広くアレルギーの分野を診る必要があります。

耳鼻科ならアレルギー性鼻炎、皮膚科ならアトピー性皮膚炎を診ることを期待されています。小児科医はぜんそく、アトピー、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎・結膜炎、じんましんなど幅広く対応する必要があります。

先日、他県の皮膚科で“湿疹”で治療を受けていたお子さんが当院を初めて受診されました。ちょうど里帰り出産で地元に戻ってきており、気になっていた上のお子さんの湿疹を診て欲しいと思ったようです。

私は常々、診断できなければ、正しい治療はできないと繰り返しています。親御さんによく言うのは、「お母さんが胃の調子が悪いとするでしょ。本当は胃潰瘍なのに、胃がんの治療をされたら困るよね?。胃潰瘍としっかり診断し、軽ければ軽い治療、重ければ症状に合った治療をするのが当たり前でしょ?。」と言うと、「そりゃそうですね」と皆がそう答えて下さいます。

アトピー性皮膚炎もそれなりに知識があるつもりですので、まずお薬手帳を見せてもらいました。薬の内容を見るだけで、“腕”が分かります。その患者さんはガッツリと治療されていました。小児科の医師でも知識や技術の差があるのは現実です。プロトピックというステロイドではない、薬も使われていました。皮膚科に通っていたそうですが、治療にメリハリがあり、「技術のある先生だな」と思いました。

ただ、ひとつ驚かされました。それだけの治療をしていて、アトピー性皮膚炎の診断がなされていなかったのです。

治療は、完璧にアトピー性皮膚炎で、しかも軽症ではない治療が選択されていました。そもそもプロトピックという軟膏は、基本的にはアトピー性皮膚炎の治療と認識しています。しかも、メリット、デメリットを説明した上で、患者さんに了解を得た上でないと処方できない決まりがあります。それがなされていませんでした。

では診断はどうなのかと言うと、今現在は治療中ということもあり、皮疹は軽度でしたが、間違いなくアトピー性皮膚炎と診断されました。本来、診断根拠もステロイド軟膏もプロトピック軟膏も処方する医師がキチンと説明すべきものです。

当院は、診察室では聞きやすい雰囲気を作るよう努力しているつもりです。困っている患者さんに「プロ」として対応したいと思っていますので、いろんな質問に丁寧に答えたつもりです。他の小児科や耳鼻科、皮膚科で出された薬について説明を求められることがよくあるのです。もちろん、答えられる範囲内で答えてはいます。ただ、「聞く相手が違うと思うけれど」と言うようにしています。

先の患者さんは、ステロイド軟膏についても不安を抱えていたようです。ステロイドの使い方の説明も求められました。これも本来、処方した医師が責任を持って説明すべきことなはずです。ステロイド外用薬に関しては、未だに拒否的な態度をとられる患者さんもいらっしゃいます。「お子さんの病態を良くするためには、必要な薬です」とガイドラインを片手にしっかり説明すると、ほとんどの患者さんが納得して使用してくださいます。中には、かなり時間をかけて説明しなければならないケースもあります。少なくとも当院では、無責任な処方はしてこなかったつもりです。

最近は、咳の長引く患者さんに説明もなく、ぜんそくの薬が出されているケースも目にします。患者さんがお薬手帳を見て「ぜんそくの薬です」と書いてあるのを見て、ビックリするのです。また、乳児湿疹と診断して、何の説明もなくステロイド軟膏をこっそりと処方されている場合もあります。いろんな医師がその医師の考えに沿った医療をやっています。他人がとやかく言う筋合いはないのかもしれませんが、「必要最低限の“説明責任”は果たしてください」と言いたいのです。

小児科も皮膚科も診察時間が短く、あれこれ聞けないことも多いでしょうが、少しでも疑問があれば、「なぜその薬を使うのか?」を主治医に確認してください。お子さんのためです。患者さんはそれを確認する義務があると思うし、医師には納得するまで説明する責任があります。説明不足が医療不信を招いているケースも少なくないと思っています。遠慮せずかかりつけ医に説明を求めて頂きたいと思っています。